結果を求める世界

私たちはよく「結果」を見てしまいます。

しかし、その結果の前後にはどんな物語があって、どんな思いが潜んでいるのか理解しようとすることは少ないです。

つまりは「過程」を見ていないということになります。

今回僕が伝えたいのは

「何を思って、どうなると考えてその行動をしたのか」

これを意識して行動や言葉掛けをしていけば、衝突や問題は少なくなるのではないかと思います。

今回は実際に働いていて私が考えたことを交えながら伝えていきたいと思います。

ある男の子の話

僕は児童デイサービスで働いています。障がいを持つ子どもであったり、虐待を受けた子が通っています。

そこで一人の男の子がいました。仲良くしようと関わりを求められると攻撃的になってしまい、集団に上手く馴染めないことが多くありました。

問題行動は日常茶飯事で、歩いている子の足にキックをして転ばせる、電気を勝手に消して面白がる、嫌なことが起こるとすぐに手が出るなど問題が多くありました。

この子は喧嘩の絶えない環境を幼少期から過ごし、暴言・暴力が当たり前の環境にいた為、そのようになっていたのだと思います。

日常生活を過ごしていく中で、何度も問題行動を起こし、何度もその行動を注意してきました。

しかし、その行動だけを注意しても改善されるどころかエスカレートしていきました。

そこで気付きました。

その行動つまり「結果」に焦点を当てるのではなく、その行動の前後の行動や情動「過程」を見てみようと。

もちろん元々居た環境によってのものも多くあるとは思いますが、その問題行動の前後を見ると

「話しかけたかったのに上手く話せなかった」

「自分に注目してほしかったから叩いてしまった」

ただ、問題を見ると問題を起こす悪い子のように見えますが、ただ伝え方がわからないだけだと気付きました。

僕はアプローチの仕方を変えました。

問題行動を起こすことに変わりはありませんが、叱るときの伝え方を変え「こう思っていたからこうしたんだよね」とその子の気持ちをできるだけ汲み取ってあげるように伝えてみました。

そして、その子が相手に伝えるときの方法もできるまで根気強く教えました。

すると少しずつですが、問題行動は減っていきました。

今回のように見る視点によってアプローチの仕方は変わっていきます。

職場でも同じことが言えます。

もし、なかなか仕事ができない新人がいたとすれば

結果ばかりを求めてしまっては新人も自信を無くしますし、教える人自身も不信感が募ると思います。

しかし、できないという結果に囚われずに新人には

「何がわからず、何をしようとしているのだろう」と相手をよく観察し

助言をしてあげたり、話を聞いてあげたりすると自分の知らない一面であったり、何ができないのかなどわかると思います。

長い時間かかるが・・・

人を育てるということは、長い時間がかかり、とても面倒くさいことでもあります。

でも、ここを怠るとお互いに成長していきません。

あなたが苦労して、行った行動が裏目に出る場合もあるかもしれません。

しかし、そこで自分にも改善点が見つかり、自分も成長できる。

この結果は変わらないのかなと思います。

「何を思って、どうなると考えて行動したのか」

この言葉が困ったときにあなたの意識に浮かびますように・・・。

この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます